tripd9
東京トリップ ─山の上ホテルへ行く─
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PM18:05
引き戸を開けると、カウンターがまっすぐ伸びていて、
こじんまりした店内。
一番のりの私たち、カウンターの角のいちばんいい席に案内していただく。
清潔な白木のカウンターに、お品書きが。
白ワインをお願いして、コースがスタート。
前菜は、白バイ貝、まぐろの一口寿司、もずく酢。
お吸い物、すずきのうす造り、野菜の炊き合わせ。
そして、ここからようやくてんぷらへ。
目の前の大きな鍋には、太白のごま油がゆらゆら。
タイミングを見計らって、まさにマンツーマンでさっと揚げたてを出してくれる。
活巻海老から始まって、いんげんの紫蘇巻き、ホワイトアスパラ、グリーンアスパラ…
そして今しかないという「ぎんぼう」と定番の「さつまいも」を特別注文。
ぎんぼうは、鮎のような上品な香り、あんこうのような食感の初体験の味。
ぎゅうっと魚のうまみが詰まっている。旬!
さつまいもは、なんと注文してから40分近くかかるのだけど、
出てきて納得。
10cmくらいの厚さを、縦にカットして、好みでブランデーをふって食べる。
スウィートポテト並みに甘くて、カリカリの外側としっとりした内側の
コントラストがお見事!
そして最後のシメには、天茶を。
海老と貝柱がごろごろ入ったかき揚げをごはんにのせて
お出汁を注いでさらさらと。
相当おなかいっぱいなのに、わさびの香りのおかげか、しっかり完食。
デザートを食べ終わる頃には、お酒もまわって、すっかり夢見心地の私たち。




てんぷらって…こんなに真剣勝負だとは思っていなかった。
ものすごい集中力で素材と真剣に対峙している姿を目の当たりにして、
「命」に「衣」を着せてうまみの「頂点」を引き出す、という
すばらしい仕事に、こちらも背筋がのびる思いがした。
私たちを担当してくれていた端正な顔立ちの料理人さんのことを、
「彼はのびる!」と友人が断言していたのがおかしかった。
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