trip5 ちいさなひとり旅 ─ヘルシンキへ行く─   1日目 2日目 3日目 4日目 旅を終えて






5月1日(日) 成田→コペンハーゲン→ヘルシンキ






ビールを飲んですっかり気分がよくなった私は、
SASラウンジと書いてある自動ドアの中へすたすたと入っていった。
するとそこは・・・何気ない扉からは想像もつかないほど、
めくるめくような世界が繰り広げられていたのだ。
ここにもうひとつ秘密の空港があるんじゃ?と思うくらい、
完全に外の世界とは遮断されている。
色とりどりのソファに、ぽつんぽつんとマダムたちがくつろいでいた。
例えるなら、大金持ちのリビングを20個くらいくっつけた感じ?
なに?ここは!
私は好奇心の赴くまま、ますます奥へと進んでゆく。
するとその奥にもまだまだ部屋があって、今度は書斎になっていた。
最新のパソコン完備で、ビジネスマンが優雅に仕事をしている。

あとちょっとのところで、私は「小公女」に出てくるお手伝いのベッキーのように
ふかふかのソファに腰かけて、とっぷりと眠りこんでしまうところだった。
あぁ、無知とはおそろしい。
その空間は、スカンジナビア航空のビジネスクラス専用のラウンジだったのだ。
なんで普通に入れたのか、まったくわからない。
何かの拍子にハッと気づいた私は、冷や汗をかきながら、
庶民たちのホールへと出ていった。
うぅ〜 いつかはきっと、ビジネスラウンジ!