tripb23
チョコレート紀行 ─ベルギーへ行く─
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夜ごはんは、マユミさんも風邪だし、なにか買ってきて
エグゼクティブな部屋で食べようかと言っていたのに
結局、てくてくとディープな方向へと歩いていく。
ちょっと裏道を入ると、こんな細い道に!と思うようなところに
いい感じの小さなレストランが並んでいて、外の道にまでテーブルを出して
地元の人たちが楽しげに飲んでいる。

中でも、活気があって、おいしそうな店に入ってみた。
気づけば、ここはスペイン料理屋。なぜにベルギーで!?と思いつつも
おいしそうだからよしとする。
しかし、ディープすぎて、日本語はもちろん、英語もあまり通じない。
メニューもちんぷんかんぷんで、2人用の手軽なコースをなんとかオーダー。
マユミさんはビール、私はサングリアで乾杯!
流しで歌を歌いにきたりして、なかなか素敵な夕暮れ。

全部で5品来るというコースのはじめの一皿は、
ベルギーの名物でもあるムール貝に、イカのフリット、わかさぎのフリットなどが
山盛りになったオードブル。アツアツで、味もおいしくて大満足。
「やったね!」と喜びあう。が、その後、待てど暮らせど、次の料理が来ない。
お客さんが多くて忙しい、というのはもちろんあるだろうけど
早くしなきゃ、という気持ちがあんまりない感じ。
別に時間がないわけじゃないんだけど、胃袋のシャッターが降りてしまうので
来るなら早くきてーと思っていたら。
ついにきた2皿目は、ものすごいでっかい鍋。
中にはこれでもか、という量のエビ、ムール貝、イカ、タラ、あさり、などなどなど
が入ったブイヤベースのようなもの。
はい、味はおいしいです。でも、量が尋常じゃないです。
これ1皿で4人分。パンも入れたら、6人分。みたいな。
なのに5皿のうちのまだ2皿目。この先にいったい何が待っているのか…。
どんなにがんばっても半分も食べることができず、二人で迷ったあげくに
お店の人にギブアップを伝えたのでした。
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