tripb30
チョコレート紀行 ─ベルギーへ行く─
*
駅の高架下には、小さなダイヤモンドショップがぎっしりと連なっていて
端から順番に、ショーウィンドウを見て行く。
指輪、ペンダント、ピアス、ブローチ、ブレスレット…。
ぜんぶダイヤ、ダイヤ、ダイヤ、ダイヤ、ダイヤ…!
あまりにも量が多すぎて、もう違いがわからなくなってきた。
目がチカチカする。
でも、いい!と思うような運命のダイヤはここにはない気がする。
どれもごっつくて、ピカピカしてるけど、私が求めているものとは違う。



別に、積極的に探しにきたというわけではないし、
もしも、万が一、運命のものに出会えちゃったらうれしいな〜くらいの気持ちだったので
ほとんどあきらめて帰りかけた時。
ぐるっとまわった最初のお店のショーウィンドウをもう一度みると、
ふと、「これ、アリなんじゃない?」というものを発見。
マユミさんも「いいかも」と言う。
ここまで見たからには、値段くらい聞こうと思って店の中に入る。
太陽のような形をしたペンダントで、小さなダイヤが埋め込まれている。
着けてみると、意外と薄っぺらくて、そこが繊細な感じがして気に入った。
しかも値段がたまたま半額で、さらに交渉でかなりの値引きに成功!
店主も感じのいい人だったので、握手をして買うことに決めた。
運命か、と言われると、そういう感じでもないけど、
気に入って、きっとよく身に付けるだろうと想像できたので、
めでたし、めでたし。

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