tripb5 チョコレート紀行 ─ベルギーへ行く─






何がいけなかったのか、ちっともわからないまま
でも次の飛行機に乗り遅れたりしたら、眠るところもなくなる!

今回の旅行は、限りなく自由に近いパック旅行で、
ブリュッセル空港では日本人スタッフが待っていてくれて、
ホテルまで車で送ってもらえることになっていた。
その人に連絡しなきゃ!っていうか、荷物はどうなっちゃってんの!?

広い空港を見渡しても、日本人らしき人はまったく見当たらず、
とにかく、そのスタッフの連絡先に電話してみようということになった。

が、その電話番号は携帯で、さらにここはロンドンだから、
ベルギーへの国際電話になるので、そのままかけても一向につながらない。
「ここにかけたいんだけど…」と4人くらいに聞くも、
みんながお手上げ。

この際、あの人のことはいったん忘れよう。
そして、とにかく自力でブリュッセルへ行こう。
行けば連絡がつくかもしれない。

不安のまっただ中、マユミは言った。
「いざとなったら、お母さん病気のフリするから。」
「なんで?」
「病院に連れてってもらえたら、とりあえず寝る場所が確保できる。」