tripb20 チョコレート紀行 ─ベルギーへ行く─   出発 ブリュッセル ブルージュ アントワープ 到着






マユミさんが風邪を引いた。
5年ぶりにのどが痛い、と言う。
無理もないでしょう。しょっぱなからハプニングだったし。
朝食でカモミールティーを飲み、早々にチェックアウト。
列車でアントワープへと出発。





駅のホームで、荷物を勢いよく落としたマユミさん。
お父さんのおみやげに買った、ビールグラスが割れてしまった。
あいかわらず、踏んだり蹴ったりの私たち。
妹からもらった「指さし会話帳」、まだ一度も使っていない。
なにもかも、体当たりの私たち。





アントワープ中央駅に到着。ここまで来れた!
タクシーに乗って、ホテルまで。

ヒルトンアントワープは、駅から10分もかからないはずなのに
気のいい運ちゃんによって、またもぐるぐるとドライブ。
「ここは有名な博物館。僕は生まれて一度も行ったことないけどね。」
「ダイヤモンドランドはプレゼントを買いに行ってみたけど、二度と行かないな。」
「観光客はみんな古い建物をみて ' beautiful! 'っていうけど、僕は全然わからない。」
と、なぜか辛口トーク。

つきあたりに見え始めた、なんだか妙な建物についても、
「あれは新しくできた建物だけど、僕は大っ嫌いだ。」
これには私も賛同して「確かにヘンだね!」と言うと、
「お、話がわかるね!」という感じで、マシンガンのように辛口ガイドが続く。
ついには、ブリュッセルの話になって、「ちいさい人間は見たか?」と何度も聞いてくる。
何!?小さい人間って…コワイんですけど…!と、
まったく見当がつかず、答えあぐねていると
「フィッシング!」「フィッシング!」と何度も言う。

「あ!ションベンじゃない?」とマユミ。「釣りざおって、なんか似てない?」
「うそ、もしかして小便小僧のこと?」(ここは日本語)で聞くと、
「そうだよ!なんでわかんないんだよ!」(こっちは英語)と一同落ち着く。
まさかアントワープのタクシーの中で、
「ションベンかー」「ションベンだよ、ションベン!」と親子で連発するとは思わなかった。

2倍の時間をかけてホテルに着いた。最後に、マユミが聞けと言うので、
辛口運ちゃんに「じゃあ、あなたは何が好きなの?」と聞くと、「きれいな女の人」だってさ。ハイハイ。
そして、ちゃっかりタクシー代にはガイド代も含まれていた。
つまり、ぼったくられていたのでした。

注)fishing ではなく pissing だったと後日わかりました。